解離性人格障害・多重人格

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第11章(11/12) 解離性人格障害「私のことわかってない。誰も助けてくれない」

24歳の既婚女性A子さんが、ご主人につきそわれてやってきました。そのしゃべりかたは、まるで、悪夢に驚いて目覚めた幼児が、親を求めて泣いているような態度と口調で、先生は、思わず引き込まれてしまいます。

先生ご自身の心理描写がもう、秀逸です。ここのような、無料で誰でもみられる場所に勝手に引用するのはもったいない、素晴しく文学的かつ怜悧な表現なので、出すのは控えます。219ぺージなので読んで下さい。(^^;

大林先生は、我にかえって、こう考えます。
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この女性は幼児返り(退行)をしていて、診断的には解離性障害といえる状態だろう。解離とは解決困難なストレスにさらされた場合に起こる無意識的な反応をいい、記憶がとんだり、普段の自分と違う心理・意識状態になることをいう。解離性障害には多重人格や一定の期間の記憶がない心因性健忘、自分が外部の傍観者のように感じられる離人症などが含まれる。いずれにしても心療内科ではなく、精神科で扱う病気だ。
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精神科ですか。やっぱり。(;^_^A、

じつは私は、子供時代ですが、この状態になったことがありますよ。それは、『プライベート・アイズ』セミナーのなかで、精神分析が進んでいった後期の収穫として一部明らかにしています。受講された方の心の健康に益する部分のみ、抜き出して、ですけど。

解離性人格障害は、親や養育者による性的虐待が原因でおきることが多いのですが、ものごとにはいつも例外があります。全部が全部そうではないです。

『私はイヴ』のクリスは、親の教育や躾けが原因ではなかったようです。私自身の場合は、虐待は虐待でも、性的・肉体的な虐待ではなく、まるきり精神的な虐待でした。精神的な虐待のみでも、人は解離状態になるということを、私は身をもって知りました。(;^_^A

大林先生はいったんこの患者さんを断るのですが、「やっぱりここで診ていただきたい」といわれ、彼女の病気は本来、精神科で診るもので、ご自分は専門家でないこと、また、ご主人のためにも本人のためにも、入院もできる病院での治療が望ましいことを告げて、後日ほかに紹介することになってもかまわないなら、それまで診てもいいと伝えたのでした。

でも、読んでいて切なかったです。ここのところ。 ……………………………………………………………………………
「ひどいときは魂を取られたみたいになって、自分がもうひとりの肉体の自分を横で見ている感じになるんです」
「それがいなくなるといいのかな?」と私が聞くと、
「半分ずつがいい」と答える。
必ずしも、不安のない元の状態を望んでいるわけでもないという意味なのだろうか。質問してみたが、残念ながら、彼女からは十分な説明がきけなかった。(231ぺージ)
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そうでしょう、そうでしょう、この世に生きているままでは耐えがたいほどの体験のために、自分が二つ以上にスピリット(分離)してしまったことがない人には、自分が分かれている状態は、わかるわけないと思います。

健康な人にとって、自我=自分=肉体=精神=いつもひとつ。自分=安定して統合されたひとつの人格・状態と相場が(?)決まっています。解離性人格障害になるほどの悲しさや、苦しみ、つらさというのは、たいがいの人の想像を絶するものです。

ましてや、大林先生は精神科の専門家ではないのですから。それでも、医者として真摯に患者さんと向き合う姿勢はいつもお優しい。

自分が分かれてしまった解離性障害を実際に体験した身として考えるのは、A子さんが言いたいことは、分かれてしまった自分のどっちになりきるのでもなく、どっちを捨てきるのでもなく、統合したい、つまり、ひとつになりたいということだと思いました。


『幸せの絆を求める女たち―心療内科の診察室から』大林正博著・アマゾン紹介リンク

この本の内容

第3章 ボーダーラインケース(境界例の症例)(1/12)

第7章 抑うつ状態(2/12)

第6章 反応性うつ病(3/12)

第1章 神経性過食症(4/12)

第2章 神経性食欲不振症(拒食症)(5/12)

第10章 人の意向にばかり合わせるくせがある(6/12)

第9章 自律神経失調症(7/12)

第8章 過敏性腸症候群(8/12)

第5章 パニック障害(9/12)

第4章 対人恐怖症(10/12)

第11章 解離性障害(11/12)

エピローグ そして誰もが絆を求めている(12/12)


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