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フロイトの夢解釈

「自宅のホールを通り抜けようとして、低く垂れ下がっているシャンデリアに頭を強くぶつけて血が出た」
若い女性患者が見た、現実とは無関係のこの夢。夢に関連して女性が思い出したことは、髪がたくさん抜けるので、頭がお尻のようになってしまうと母親に言われたことだった。しかも、この女性は月経は男性との性交によって起こると考えていた。
フロイトはこの夢をセックスとそれにともなう出血を意味していると解釈した。

シャンデリアは夢の中でペニスを表すシンボルと考えられている。シャンデリアにぶつける頭は、母親の言葉に関連していて下半身を指しているというわけである。
夢に出てくるものが何か別のものを表していることを、夢の象徴化という。フロイトは一千例にものぼる夢を収集・研究して、こうしたシンボルを数多く発見している。夢に登場するシンボルは、性的なものがきわめて多い。

【平井のコメント】フロイトの患者はおもに、時間もお金もある富裕層でした。自宅のホールというのは、玄関ホールを意味しているのかもしれません。ヨーロッパの大邸宅(英語の「マンション」の本来の意味は豪邸)では、玄関がひとつのホールになっていて、そこに豪華なシャンデリアが下がっていることが多いからです。
この当時の時代背景として、性は解放されていなかったことがまずあげられます。性的なものはすべて覆い隠され、口にすることすら禁じられるような状態でした。

夢は無意識のなかでの性的願望の充足であるとフロイトが考えたのも、無理はないでしょう。しかし、現代ではここまで性が解放されて自由になりました。とはいっても性のもつ否定的な部分だけが恣意的にクローズアップされている部分もありますけど。。。

現代は、女性の裸体がコンビニに並ぶ週刊誌の表紙を飾り、ファンタジー、疑似恋愛も、パソコンやアニメの世界や秋葉原で堪能できる時代です。エロが子供の目に触れるところに陳列されているのは問題ですが、我慢しなければならず、夢のなかでしかかなえられない強い性的欲求不満は、フロイトが生きた18世紀後半から19世紀前半の時代とはくらべものにならないくらい、減っています。そのため、いろんなものに性的シンボル(象徴)を当てはめるのは無理があると思います。


・このページは、『深層心理なるほど講座』という本がとてもおもしろかったので、
おもな内容を、私のコメントつきでまとめたものです。
当HPの『記事』のコンテンツです。

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