末期がんの心を癒す&セラピー(カウンセリング)成功条件(第97号下 2007・7・23)

末期ガン患者のこころを救った医師の言葉と態度

 
ブラック・ジャックになりたくて―形成外科医26の物語 岩平佳子著

この本は、岩平先生が形成外科医師としてさまざまな患者さんや家族と出会い、
人と人として出会ってきた体験を綴ったエッセイ。

サラサラと軽く、話の展開が速くて、スパッと思い切りがよく、厳しく、
それでいて卓越したユーモアもあって、優しさと上品さも感じます。

文は人なりと言いますが、日本の乳房再建の草分け、
一流の形成外科医は、文章も一級品でした。

遠くベルギーまで飛んでの乳房再建修業、
75歳の女性の片方の胸と同じ萎びた(?!)乳房をつくる技術、
ペニスの皮が充血して土星の輪っかになった外国人俳優の手術、
ファンだったプロ野球選手が怪我で運び込まれて以来の友情、
この薄い一冊で、爆笑することも、ほろっと泣けることもできる感動の
ドラマを何本も観たような感じでした。

上顎がんで末期の患者さんの失血死を食い止めた対処には目がうるみ、
悪性リンパ腫の『清水さん』からの手紙には、涙が流れてとまらず、
何かに打たれたように、しばし席を立てませんでした。

『清水さん』と岩平先生が出会ったのは、
内科の担当医が、抗ガン剤の点滴を漏らす医療事故が原因でした。

赤く腫れて感覚がなくなってしまった腕は、そのまま放置すると
皮膚が壊死して穴があき、腱や骨まで出てしまうおそれがある。

腕がいいので呼ばれた先生が行なった処置は無事成功し、やがて『清水さん』は退院します。

それから何年もすぎ、もともとの病気(癌)が進行し死期をさとった清水さんは、
死相がはっきりと出た苦しい状態で岩平先生を訪ね、一通の手紙を残して去ります。

少し長いですが、本から引用させていただきます。

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 私の知らないところで清水さんのもともとの病気である悪性リンパ腫は進行し、彼の体をむしばんでいた。まもなく死にいく病人の顔を古代ギリシャの医聖、ヒポクラテスの顔にちなんで「ヒポクラテス顔貌(がんぼう)」と言うが、今の清水さんはまさしくヒポクラテスだった。

((中略))

 でも清水さんは、はあはあした息遣いをしつつも、むくんだ顔に穏やかな笑みを浮かべているように見えた。
「先生とお話しするといつも緊張してしまって、何も言えなくなってしまって。だから今日は手紙を書いてきました。後でお読みになってください」
 清水さんはそれだけ言うと、「他の患者さんもお待ちでしょうから」と言って外来を去った。部屋に帰って手紙を開けると、
「化学療法で苦しいとき、リハビリでつらいとき、自分が何でこんな目にあうのか、何で自分は生きていなければならないのかと思っていたとき、先生が病院の廊下で、『清水さん、どうですか』と声をかけてくださり、病室に見舞ってくださると本当に周りがパーッと明るくなり、元気が出ました。何度それに救われ、優しさに助けられたかわかりません。本当にありがとうございました。先生がいつまでもお元気で多くの患者さんを助けてゆけるように、心からお祈りしております」
 と書かれていた。
 涙が止まらなかった。
 医者になって、こんなに嬉しくてつらい手紙をもらったのは初めてだった。
 私は何もできなかったのに。医者の無力さと、自分の未熟さがうらめしかった。
 もう二度と見ることはないであろう、寡黙な清水さんの品のよい横顔が浮かんだ。病室のベッドで、ひたすら英語の本を読んでいた姿が思い起こされた。その中に秘められていた苦悩と悲しみが浮かんで、その日私は目が腫れるほど泣いた。

 ―――― 以上、ブラック・ジャックになりたくて―形成外科医26の物語 岩平佳子著161ぺージより抜粋

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★末期癌の患者のこころさえ、こうして助けられるのは、
人と人として敬意を払い、直接向き合い、温かく支える姿勢なのですね。(^^) 

感動的な良質の本でした。
 

メールセラピー(カウンセリング)の効果〜自信がもてて気分爽快〜

 
本館サイトでご紹介しているメールセラピーですが、
どんなものか見当もつかない方もいらっしゃると思いますので、
ある30代の女性の方を例にご説明します。

『プライベート・アイズ』受講なしで、
最初からメールセラピーとして、合計7往復、受けられたNSさん(以下相談者)の場合です。

最初のお申し込みが、2,187文字 88行でした。
1往復目私から 4,451文字323行 + 相談者 7,988文字489行、
2往復目私から  834文字65行 + 相談者 3,041文字216行
3往復目私から 13,108文字901行 + 相談者 19,639文字1194行
4往復目私から 5,828文字362行 + 相談者 481文字39行
5往復目私から  975文字80行 +  相談者 6,707文字 377行
6往復目私から 9,466文字556行 + 相談者 9,150文字 561行
7往復目私から 2,637文字172行 + 相談者より これでOKということで、
NSさんとのメールセラピーは円満に終結しました。

★メールセラピーでは、面接と違って、ただ黙ってそばにいて伝わる部分が
ないので、私のほうでも、すべて言葉で説明していく必要があります。
文字数が多くなるゆえんです。(^^) 

それでも、私のメールセラピー(メールカウンセリング)は、例外かもしれません。
たいていのところで、メールセラピー(メールカウンセリング)はもっと短いようです。
1回あたり、800字から2,000字ぐらいまでと制限つきのところがほとんどです。

でも、制限されてしまったら、伝えたいことを思うように伝えられないです。
解決の糸口って、些細で微妙な、意外なところにあることが珍しくない。
相談者の方が、私とのやりとりで、メールの文章のあとのほうに、
付け足しのようにして、「これは雑談ですが、」とか、「それとは関係がないのですが、」と
前置きして書かれていることのなかに、意外と肝心な内容があることも多いのです。
もしも、私のほうで、「○○○字までにして下さいヨ」と制限してしまったら、
この、大切な曖昧さや、ヒントの芽を削ぎ落としてしまうことになります。

メールセラピーを受けられる方はいろんな方がいます。
たとえどんなに長い長いメールでも、改行がまったくなくて読みにくくても、
私は全部、何度も繰り返し読ませていただいて、お答えを返すようにしています。(^^)
  

心理療法にはクライアントの決意と勇気がいる!

『ブラック・ジャックになりたくて』 にも、まえがきにこうあります。

――何より私を育ててくれたのは、ひとつひとつの症例、一人一人の患者さん との関わりだった。自分の一番見せたくないところを見せる。その勇気と信頼が何よりの私の力になり、手術が終わった後の患者さんの明るさが次の手術への 糧となった。―― 

メールセラピーを行なっている私の気持ちも同様です。
私を信頼して、人に話したくないことを勇気を出して話してくださって、
セラピーが終わったあとの安堵の笑顔・・・これが私の喜びであり、
次の相談者さんと向き合う支えになってきました。

NSさんも勇気ある方で、最初からご自分のこれまでのことを
私に預けるように隠さずに打ち明けて下さいましたので、変化も速い展開となりました。

ちなみに、NSさんのメールセラピーに要した全体の期間は2週間でした。
これと同じことを通常の1回1時間程度のカウンセリングでやるとすると、
最低でも半年はかかることでしょう。

というのも、相談者の方と私がそれぞれ、1回のメールに数時間かけているとして、
少なく見積もっても、合計4時間ぐらいのカウンセリングに値します。
4時間というと、週一回、60分のカウンセリング1ヶ月分です。
これが私のメールセラピーでは1回でやってしまう。(^^) 
それを7往復ですから、通常の面接のカウンセリング7ヶ月分となります。

以下はNSさんからいただいたフィードバックです。

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平井さま

メールセラピーありがとうございました。

他人の評価、顔色に気を取られずに、自分の感覚を大切に自分主体に生きる。

それが、出来る気がします。今までは、絶対、出来ないと思っていました。

たくさんのアドバイスをありがとうございました。

うまく言えませんが、体も頭も、かなり、すっきりしてるんですよ。

軽くて気持ちいいです。ありがとうございました。

                               NS

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NSさんの長所のひとつは、他人を信頼して自己を預けながら、
言われたことに忠実に全力投球で努力をすること。
資質と、対人関係の能力があったから、上司から可愛がられ、
勤め先でも高く評価されたのです。

こうしてみると、もったいない話しです。

もともと人並み以上に物事をやりとげる能力があるのに、
不安に足を引っぱられて押しつぶされそうになったり、
仕事ぶりを評価されているのに、その評価を、自分のものとして
受け取って自信にかえることができなかったりしたこと。
でもどんどん自己理解が進んで解放されてほんと良かったです。

私の若い頃は、今のように心理療法が簡単に受けられる時代ではなかったのですが、
現代は、人間心理について、理解がかなり進みつつあるのではないでしょうか。

では今日はこれでおしまいです。
長いメルマガを最後まで読んでくださってありがとうございました。

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平井 瑛子( ひらいようこ )

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