『"It"(それ)と呼ばれた子』の凄絶な児童虐待&戦争について(74号 2005.8.8)

平井で〜す! 

毎日記録的な暑さですね。

今年は去年のような酷暑にならないという気象庁の予測は、
見事にハズレましたよね。

私はここ、ひんやり涼しい軽井沢の別荘の、鬱蒼とした森が見える、
眺めのいい木陰のベランダから、南の風に吹かれながらメールしてま〜す。

写真でお見せできないのが残念でぇ〜す。


(……と、イメージ・イメージ…………ナハハッ(^m^))

お元気ですか〜? (^^) 

今日もメール開封してくださってありがとうございます。
では今日もさっそくいってみましょう。
 

『"It"(それ)と呼ばれた子』の凄絶な児童虐待

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●『"It"(それ)と呼ばれた子』幼年期 デイヴ・ペルザー著 田栗美奈子訳

〜食事中、または食事後すぐの方は、時間をおいてください。〜
〜記事中に気分を害するような描写があります。〜
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    ■デイブとデイビッドの違いって?

デイヴ・ペルザー氏は、この本の中でデイビッドと呼ばれています。
デイビッドというのはデイヴのニックネーム・愛称です。 

英語では本名と、ふだんの名前が違うことがけっこうあります。

たとえば、トムという名前も普段遣いの名前で、本名はトーマスですし、
ロナルドの愛称は→ロン、ウイリアムの愛称は→なぜかビルです。
                        

デイヴ・ペルザー氏は、1960年12月29日生まれ。
アメリカ・カリフォルニア州のデイリーシティで、
消防士の父と専業主婦の母のあいだに次男として誕生します。

ペルザー氏の母親は、ペルザー氏が4、5歳のころから
なぜか急に人格が変わりはじめ、ペルザー氏を虐待しはじめます。

ペルザー氏は、12歳で保護されるまで、 
母親から、まるで奴隷か捕虜のような残酷な扱いを受け続けました。

「僕は悪い子です!」
「僕は自分が嫌いです!」
何度もそう叫び、そう思いこむようにしむけられる。

短い時間以内に家族の食事後の皿洗いを終らせないと何度もぶたれる。 
罰として食事を抜かれる。

たまに与えられる食事はきょうだいの食べ残し。
気まぐれな母親はそれさえも、わずか数秒で取り上げる。

ガスレンジで腕を焼かれる。
弟のおむつを顔にこすりつけられ、汚物を食べろと強制される。

デイビッドの身体はガリガリに痩せて臭っていました。

何年も同じものを着せられ、
靴は両方ともつま先に穴が開いたものをはかせられ、
母親から受けた暴力のせいで、傷と痣(アザ)だらけ……。
怪我をしているのを誰かに訊かれたら、
そそっかしくてぶつかったと言い訳しろと命ぜられる。

食べ物を与えられないデイビッドは、
ガーベッジ(garbage・生ゴミ・残飯)をあさろうとしますが、
母親に気づかれて、それすらもできないようになります。

空腹に耐えかねて、学校で食べ物を盗むようになります。
食い物泥棒だ・臭いぞとからかわれ、友人もいません。

家族の一員として認められず、
家庭の団欒(だんらん)にも入れてもらえません。
地下室の階段に窮屈な姿勢でじっとしているように命じられます。

母親はどうやってデイビッドをtreat(もてなす・処置する・治療する)か、
それを日課として考えています。

デイビッドはアンモニアや漂白剤や食器洗い用の洗剤を飲まされる。
さらに、時間内に皿洗いを終えろ、さもないと殺すと脅され続け、
母親の投げたナイフがおなかにささり、怪我をして出血。
しかし応急手当をされただけで、
さっさと皿洗いをすませろと命令されます。
けっきょく病院にすら連れて行ってもらえません。

母親はデイビッドを苦しめることをますます楽しむようになります。
バスルームにアンモニアと漂白剤を混ぜたバケツを置き、
有害なガスを発生させて苦しめる。

水責め(これは拷問の一種です)・・・
水を張った浴槽に横たわり、鼻先だけ出した状態で
何時間もじっとしていろと命じられる。
そのあとはびしょびしょのまま服を着て、裏庭の日陰で
お尻の下に手を置いた姿勢でいろと命じられる。

食べ物を盗むために学校でも問題児となり、
いじめっ子たちからはボコボコに殴られる。

デイビッドは、学校が終わった放課後は走って家に帰り、
おなかの中身を吐き出して、食べ物を盗まなかったか
母親の”検査”を受けなければなりません。
盗んだ食べ物を吐き出すように無理矢理力で強制され、
しかも吐き出したものを食べさせられます。

母親はデイビッドをこう罵(ののし)ります。
「おまえなんかどうだっていい! おまえなんて"It"(それ)よ!
いないのといっしょよ! うちの子じゃないよ! 死ねばいいのよ!
死ね! 聞こえたか? 死んじまえ!」

母親は自分を正当化するために、
「デイビッドは、こんなに暴れて悪さをするのだ」と嘘を言いふらす。

息子のなかでデイビッドだけを激しく憎悪しているのです。
デイビットが気絶するまで首を締めつけます。

父親はデイビッドをかばおうとしますが、家の中のことはすべて
母親が支配権を握っており、父親は母親に勝てません。 

「デイビッドに食べ物を与えたらいいんじゃないか?」という父親に
家のことはすべて自分が正しいと思っている母親は猛烈に腹を立て、
口論になり、夫婦仲は悪化していきます。

父親は不在がちになり、やがて家を出て行ってしまいます。
数日後、両親は離婚します。  

父親に荷物を届けた帰り、母親はデイビッドをじろりとにらみ、
こう言いました。
「これでおまえはあたしだけのものよ。
父さんにかばってもらえなくなって残念ねえ」

しかしこの本『"It"(それ)と呼ばれた子』最後の章では、
その後の少年期も青少年期もいっきに飛ばして、
大人になったデイビッドと、息子のスティーブンが、景色の美しい浜辺で
ふたり仲良くゆったりと楽しむ、仲睦まじい情景でしめくくられるのです。

二作目『"It"(それ)と呼ばれた子 少年期 ロストボーイ』
http://tinyurl.com/9smv8 では、
助け出されるまでのいきさつや、里親に預けられてからの
ディビットの話が展開します。
 


ところで、英語では、
10代は13歳から始まるのを御存知でしたか?

11歳はeleven、12歳は twelve。
13歳(thirteen)から19歳(nineteen)まで、後ろにteenがつきます。
このteenがつく時代が、アメリカでは10代というわけなんです。

12歳で保護されて母親の虐待から逃れたペルザー氏は、 
文字通り、その子供時代を 虐待のなかで過ごしたことになります。 

次号は、『"It"(それ)と呼ばれた子・少年期・ロストボーイ』について書きます。 


参考リンク

ペルザー氏は、自らの体験をもとにして講演を続け、
児童虐待の認識と防止に貢献したとアメリカ国内で高い評価を受けています。
ペルザー氏のホームページ
http://www.davepelzer.com/

先月2005年7月上旬に来日し、東京三田の慶応大において
"Help yourself"というテーマで講演をしました。
ソニー・マガジンズ 
http://www.sonymagazines.jp/new/it/davepelzer.html

二つとも、ペルザー氏の写真が見られます。

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★デイビッド・ペルザー氏、きょうだいの覚え書き

長男ロン・次男デイビッド・三男スタン・四男ラッセル、
五男(末っ子)ケヴィン。

★参考文献

『”It”(それ)と呼ばれた子 幼年期』
http://tinyurl.com/9krdt

『”It”(それ)と呼ばれた子 少年期 ロストボーイ』
http://tinyurl.com/9smv8

『”It”(それ)と呼ばれた子 完結編 さよなら”It”』
http://tinyurl.com/dmhc2

以上、デイヴ・ペルザー著 田栗美奈子訳


『”It”(それ)と呼ばれた子 幼年期 コミック版』
http://tinyurl.com/c3th5

『ペルザー家 虐待の連鎖』リチャード・ペルザー著 佐竹 史子訳
http://tinyurl.com/d7c3v


★★★ところで、再び念を押しておきます。

児童虐待・幼児虐待を読むときに、間違った読み方というのがあります。

それは、
「世のなかには、こんなにたいへんな人がいるんだから、
私(俺)の苦しさなんて、たいしたことない」
と、我が身の環境のつらさを軽く見積もってしまうことです。

待ってください。
結論を急がないでください。  (;^_^A 

受けた虐待だけで比較できるほど、人生は単純ではないのですから。
それに、くらべるならば、健全な環境とくらべるべきなのです。

健全な環境で生きる権利は、誰にでもあるのですから。(^^)  
 


第二次世界大戦について

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●『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』

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先日のドジ・・・(^^ゞ 

白水社からのニュースレターで、ある本のタイトルと紹介を見て、
添付のハガキで注文しました。

そろそろ、あの本が届く頃だと楽しみに思っていたら、
ポストにコトン、と一枚のハガキ。。。

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拝復 日頃ご愛顧を賜り、またこの度はご注文をいただき厚く御礼申し上げます。
さて左記のご注文の書籍は 他社本で お送りすることができません。
あしからずご了承くださいませ。
今後ともよろしくお願い申しあげます。
                               敬具
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あっちゃ!やっちゃった!(^^ゞ

注文した(つもりだった)本はこれ↓

『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』
――トルーマンとバーンズの陰謀 鳥居 民 (著) 草思社
http://tinyurl.com/85krm

上のリンク、クリックして、見ていただけました?

下の文章と関係があるので、エディターコメントだけでも読んでみてくださいね。


アメリカで精神分析が興隆したり、原爆が発明されたりした背景には、
ヒットラーがユダヤ人狩りをしたことがあげられます。

ヨーロッパから逃げてきたユダヤ人が、移民に鷹揚なアメリカに集まり、
そのなかには優秀な科学者や、医者や、(お金持ちの商人や資産家も)いた。

そのユダヤ人科学者たちのずば抜けて優秀な知能によって、
原爆が作られたのです。

アメリカ人は、原爆投下があったから戦争を終えることができた、
多数のアメリカ人兵士の命を救うことができた、
なんていまだに言いはりますが、
予告なしに原爆を投下した行為に正当性はありません。(^^;;;

なぜなら、じつは、アメリカは敗戦の色が濃い日本の意思を知っていたのです。

当時の日本が海外に向けて打っていた電文は、
連合軍に傍受されて解読されていたのです。

アメリカは知っていた。

日本は天皇制存続さえ認められれば降伏する用意があり、
ソ連に仲介を打診していたことを。

降伏しなければ大量殺戮兵器を投下するぞ、と警告しようと思えばできた。

でも、それで日本が降伏してしまうと、原爆を使う計画がパーになる。
とにかく最初から、原爆を使おう、使いたい、という気持ちがありき、
だったんです。

原爆を投下して、ソ連にたいして、開発した核兵器の威力を見せつけ、
国際的な取引を有利に進めたかった。 

いわば、日本の地方都市広島とそこに住む民間人が、
原爆の壮絶な破壊力と汚染の程度をチェックするための都合のいい
実験材料として選ばれた。。。

広島や他の、原爆投下の候補地の都市には、
空襲をほとんどしなかったのも、わざと街をそのまま残しておいて、
どれだけの破壊力かを確認したかったからなのです。。。

米軍は、原爆投下の練習も何度もしていました。
東北の福島県など、農村には練習用のダミーが何回も落とされています。
。。。。。_| ̄|○ 


日本が無条件降伏した後、
また戦争を始めないようにと、アメリカは日本からその意志を
骨抜きにしたわけですが、もとはといえば、戦争をしなければ、
事態の打開がはかれないような苦境に日本を追い詰めたということも
あります。

真珠湾攻撃も、当時の国際ルールにはかなっていたようです。
日本は真珠湾を攻撃するときに、
文書で宣戦布告して戦争をはじめたはずなので、本来なら、
「リメンバーハールハーバー!((卑怯な)真珠湾攻撃のことは忘れていないぞ!)」と
アメリカ人に恨まれることはない のですが、
なんと、アメリカに宣戦布告する文章を電信するルートで、
連日パーティーで浮かれていた?外務省の役人のミスが重なったのが原因とか。

そして、終結させるときも、軍部の判断ミスが原因で、
結果的に、アメリカに原爆投下を許してしまいました。 

でも、アメリカはやるといったらとにかくやる国です。

イラクをいくら査察しても、大量破壊兵器が見つからないと、
「隠している」と決めつけて戦争をはじめたように。。。。

ここに、精神分析のメスを入れると、
ナチス・ドイツを率いてユダヤ人を虐殺したヒットラーにしても、
原爆投下を命じたトルーマン大統領にしても、ある法則があてはまります。

過去に、周囲の人間より弱く自信がなく、激しい劣等感を抑圧していた人間が、
ひとたび権力を握ると、無防備な弱者に対して、誰よりも無慈悲になり、
自分の弱さを否定し、強さを証明するためなら何でもするということ。。。

個人の怒りが多民族を巻き込んで、戦争という人災を大きくするのです。


私も、世間一般の方と同じです。

”日本は他の国に対して戦争をしかけた、たいへんな加害者だ。
好きにさせておいたら何をしでかすかわからない、恥ずかしい国だ”
と罪悪感を植えつける、日教組の赤っぽい教育を受けた人間です。

学校の先生って……戦中は戦争に邁進させる教育をしていました。

戦後は、日本に生まれたことを恥ずかしく思うような教育とか、
あるいは、平和ならそれでいい、世界恒久平和、国際交流を進めよう、と、
何か現実をしっかりと見ようとしない、目をそらしたり、
逃げの姿勢を助長している……そう思うのは私だけでしょうか?

もちろん、戦争は悲惨だし、理不尽だし、狂気です。

でも戦争は、一つの現象面、結果なんですよね。。。。
結果だけを見てあれこれと論じても、なかなか真相が見えて来ないと思います。

なぜそうなったのか、原因まで、教室でも、テレビでも言及しない。

物事を一面的にとらえるのは危険です。教訓としたいのならば、
どうして戦争をはじめるにいたったのか、さけられないことだったのか、
その全容を把握してから論じるべきだと思います。

このサイトでは、太平洋戦争においての日本人について、
欧米の学者からの中立的なコメントが、アジアの元首からの最大の賛辞を
掲載しています。 

画面の背景が真っ黒なのでドキッとしますが、
内容はきちんとしたものです。↓
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■ 私達の先人は大東亜戦争を戦ったのです。

先の大戦について肯定的に語ることがタブーのような空気に包まれている
日本に於いては、日本人自身のそういった発言はすぐに色眼鏡で見られ、
レッテル張りされてしまいます。そこで外国人の意見を集めてみました。

http://nandakorea.sakura.ne.jp/html/daitoua.html

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愛国心と戦争と、本来は関係がないです。(^^;;;  

自分を愛せない人間は他人も愛せないものです。

自分の生まれた国は、自分のアイデンティティでもあります。
そのアイデンティティを恥じ、引け目を感じているだけでは、
自信をもって堂々と他の国と渡り合えない。

あなたなら、どう考えますか?


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●編集後記

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最近スパムメールが増えました。(;^_^A

ぬあーんと、ステップメール風に、女性がひとり語りするものがあるんです!

「私に添付ファイル付きのメールを送りましたか?」というので、
ついつい、引っかかって返答してしまいましたー。(>_<)

そのあと、「離婚したばかりで寂しいからお友達になってください」
その次に何回か自分の日常を語るメールが来て、
最後のとどめが、
「今日でこのアドレスが使えなくなるので、恥ずかしいけど告白します。
このサイトで検索して探してみてください。メールだけの関係でなく、
会ってみたいです。携帯電話の番号も教えます」
ですって! 

あと、同じメールが同時に、何件も何件も続けざまに送りつけられたり。。。

んにゃろめっ、スパムなんかに負けないぞー! (^_^)ノ

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● 今日のつぶやき 

花火って、暑さを忘れさせてくれますね。

★こんなところまで読んでいただいてありがとうございました。

では、健康に留意されて、楽しい毎日をお過ごしください。


。.∴☆・・。.∴☆・・。.∴☆・・。.∴☆・・。.∴☆・・。.∴☆・・。.∴☆・


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