アリス・ミラー『才能ある子のドラマ』母と娘の関係(67号 2005・6・6)

アリス・ミラー『才能ある子のドラマ』母と娘の関係

アリス・ミラーを通して心理療法を考える、その2です。

アリス・ミラーを御存知でない方に、博士のことをご紹介するとしたら
このページがいちばん簡潔でわかりやすいと思います。 
http://www.cain-j.org/Amity/shelterless.html

アリス・ミラー博士の翻訳本(数字は原著が発行された年号です)

1.1979年:才能ある子のドラマ アリス・ミラー 
http://tinyurl.com/8zjpz

2.1980年:魂の殺人 親は子どもに何をしたか アリス・ミラー 
http://tinyurl.com/8bayq

3.1981年:禁じられた知 精神分析と子どもの真実 アリス・ミラー 
http://tinyurl.com/9m2cb

4.1985年:「こども」の絵 成人女性の絵画が語るある子ども時代 アリス・ミラー 
http://tinyurl.com/db5n4

5.1988年:真実をとく鍵 作品がうつしだす幼児体験 アリス・ミラー
http://tinyurl.com/8vcy4

6.1988年:―本邦未刊―(仮題:呪われた知)アリス・ミラー

7.1990年:沈黙の壁を打ち砕く 子どもの魂を殺さないために アリス・ミラー 
http://tinyurl.com/dc8e9

8.1998年:子ども時代の扉をひらく 七つの物語 アリス・ミラー
http://tinyurl.com/avxgv

9.2001年:闇からの目覚め 虐待の連鎖を断つ アリス・ミラー
http://tinyurl.com/7rteb

先月、英語に翻訳された最新刊が発行されたばかりですが、
上にあげた、日本語に翻訳されたなかからおもなものを
ピックアップして解説します。

第一作目の『才能ある子のドラマ』ですが、
教育という大義名分のもと、親が子どもを自分の感情のはけ口に
利用することを、鋭い洞察力と、精神分析家の専門家としては
一般人にわかりやすい平易な文章で、明解につづっています。

とはいえ、そこは現役ばりばりの精神分析の専門家です。

精神分析の専門用語がたくさん出てくるので、
精神分析のことを全然知らない人には、
難しく感じられるかもしれません。

この本のタイトル『才能ある子どものドラマ』ですが、
ドラマというのは演劇とは関係ありません。人生そのもののことです。

『才能』というのも、成績や芸術や運動能力などが優れていることでなく、
母親がいつも情緒不安定な人だったりすると、子どもは母親が自分に求めて
いるものを無意識のうちに読み取り、自然に母親を慰める役目を果たす。
その、母親を慰める能力のことをアリス・ミラーは才能と言ったのです。 

ただ、私には腑に落ちなかった点がありました。
どこがどうというのではなく、全体的に……。
なんとなく冷たさを感じるというか……。

この本は、1989年当時にしてはとても革新的でした。
子どもの深層心理を、子供の側に立って詳らかにする内容でした。
それまでのものはすべて大人の事情に配慮しているものだったので、
子供の立場になってあげている本は新鮮でした。

それにもかかわらず、子供の心情に優しく寄り添うことを冷たく
拒否し、突き放しているような感じを、読んでいて何回も受けたのです。

翻訳者の男性がアリス・ミラーの説にどこか半信半疑で、その意識が
混ざったせいなのか、それとももともと原文にそういうニュアンスがあるのか、
だったらそれはどうしてなのか、あるいは私の受けとり方が間違っているのか? 

精神分析家アリス・ミラーの観察力と分析にたいし、私は深く尊敬し
好感をもつ半面で、なぜか追い払えない抵抗と違和感を、もてあましました。
 

アリス・ミラー『才能ある子のドラマ』への深い感謝と違和感

平井はドイツ語はわかりませんから、原書を取り寄せて確かめることもできません。
なにがどうなっているのか、むろん他の専門家に意見を求めることなどできる
はずもなく、この疑問を確かめようがありませんでした。

それでも、アリス・ミラーのように、母親が子供から搾取を繰り返す心理と過程、
子供に残す傷を指摘する心理学関係の本は皆無でしたので、
この本が教えてくれる情報は貴重で希有でした。

アリス・ミラー博士は私と同じ女性です。

かの有名な大学教授の加藤諦三先生は、
http://www.katotaizo.com/"> (加藤諦三ホームぺージ)
私にご著書を通じて心理学への道筋をつけてくださったわけですが、
男性である先生はご自身が苦しんだのは父親との関係でした。

何よりも先生は特別で、若い頃からずば抜けて優秀で成功していました。
海外からも招聘されるような方でしたし、学生のころからマスコミにも登場し、
料亭でもてなされるような待遇をうけていらっしゃったので、
神経症(不安障害・ノイローゼ)者的な人間の描写以外、
私の苦境と重ならないところがありました。

アリス・ミラー先生の場合は、自分自身が娘だったときに
母親のエゴに取り込まれた経験を書いてくださっているので、
『血と言葉』でもそうでしたが、ここでも、母の関係に苦しんでいたのは
私だけではなかったとあらためて確認することができました。

『才能ある子のドラマ』によって、
アリス・ミラーという精神分析家が私の前に展開して見せてくれた新境地には、
もしかしたら……もっとその先にさらに素晴しいものがあるのではないかと、
将来、日本でもこういう考えが受け入れられていくのではないかと、
希望がもてたのを覚えています。

『才能ある子のドラマ』は、今でも大切にしています。

次に読んだのは、『魂の殺人』です。

これは、タイトルや装丁が衝撃的でした。
本のカバーは白地だったのですが、ここに水色ですが、
まるで血液が飛散した染みのような、告発的なニュアンスで上梓されていた異色の書。

心理学の専門書としては、ドキュメント風で、またずいぶんと分厚い本でした。
細かい字でびっしりと書かれているなあ、というのが最初の印象でした。

                                         ( 次回へ続く )

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● 読者さんからの励ましのメール

読者が減った、内容がダメかな?というぼやっきーにたいし、
応援メールくださった方々ありがとうございます。

ご紹介させてください。

 

★Fさん 

> 内容の軽いものが多いメルマガにおいて、くわしいものは貴重に思います。
> 心理学のことを、もっと知りたいので、この路線でいってください。

そうですか〜、わかりました!
もっと軽めの感じにしようかなと悩んでいたところでした。

★AKさん

> 読者が減るなんて・・・私には予想外です。
> 私は もう引き込まれていますから。。。
> これからも、HP、メルマガ楽しみにしています。

> ちなみに後学の為にプライベート・アイズのテキスト購入は
> 可能なのでしょうか?

どうもありがとうございます。
テキスト購入、できますよ。
新しいお仕事頑張ってくださいね。

★NMさん

> 題名が怪しいので、購読者が減ったのか、
> 内容のせい?と気にしてましたが、
> 今回から購読した私は、友達も興味があるようなので、
> 転送しようかと思ってます。

> 彼女は、○○○○○(メルマガ配信サイト名)に登録するのを、
> うーん・・・と躊躇っているのですが、
> 購読してるのが友達だったら、安心して登録してもらえるだろうと、
> 今自分が登録してる内容等説明してます。
> これからも、がんばって下さい。

ありがとうございます。
どんどん、お友だちにすすめてあげてください。
 

●メルマガ発行人の内輪ばなしをちょっとしますと、、、、

『セクシー心理学』を発行している精神科医ゆうきゆうさんが、
おっしゃっていましたが、
読者さんからいただけるメール反応率って、0.1%たらずなんです。
何万部も発行しているメルマガで数十通の計算です。

もちろん例外もあるでしょうが、 
私のような1,000部そこらのメルマガでは、限りなくゼロに近いです。
いつも何時間もかかって書いてますが、なんの反応もありません。

『プライベート・アイズ』をはじめてからは、受講のお申込書に
メルマガを読んで気に入ったので、と書いてくださる方も多くて、
とても嬉しいです。

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●編集後記
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おかげさまで、小誌は創刊から2周年を迎えようとしています。

プラアイ受講生さんをはじめとして、無料メルマガ読者さん、
また相互紹介でお世話になった他誌の発行人さん、

そして、いつも快適なメルマガ発行環境を提供してくださっている、
まぐまぐさん、めろんぱんさん、E-Magaさん、カプライトさん、メルマさん、
メルマガ天国さん、マッキーさん (はサイトが変わる予定ですが)、 
皆様のおかげです。

あらためて深くお礼を申しあげます。
 


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