潜在意識の人格とは・心療内科や精神科の健康保険診療のしくみ(6号 2003-07-26)

潜在意識の人格

前回のアンケート結果発表です。
ご協力ありがとうございました。117名もの皆さんから回答いただきました。

質問は、「潜在意識をアニメのキャラクターにたとえると次の三つのうちどれでしょう?」でした。
■なんでも出してのび太を助けてくれるドラえもん  41人 (35%)
■心優しい科学の子、10万馬力の鉄腕アトム   22人 (19%)
■行動がコロコロ変わる多重人格の鉄人28号  54人 (46%)

正解は鉄人28号でした。

ドラえもんの便利さや、アトムの優しい性格も、潜在意識の性質として、ないわけではないのですが、総体的にみたときに、どれかひとつに絞るなら、鉄人28号になるでしょう。

鉄腕アトムは判断力と感情を持った人間型ロボットです。優しくて明るくて、いつもまじめな正義のヒーロー。

鉄人28号は、私が中学生ぐらいのときまでテレビ放映されていました。

巨大でとてもパワーがあるロボットで、リモコンで操作された通りに動く。
「ある時は正義の味方、ある時は悪魔の手先」というテーマソング通り、鉄人28号には、思考力や判断力がなく、悪い人間にそのリモコンが渡ってしまうと、命令されるまま、なんの躊躇もせず、平気で破壊活動を行ってしまう。

そのため、あるときは力強い味方でもあり、またあるときは手ごわい敵にもなるのです。


潜在意識というものは、なんでも含有しているどらえもんのポケットでもあり、またアトムのような判断力や思考力も、少しはあるのですが、 信じられないような素晴しい能力と、基本的にインプットされたデータや命令にほぼ無条件に従うという点で、 鉄人28号がいちばん近い。

潜在意識は何でもありで、強い印象を受けたものを現実の上に実現させたり再生産させてしまいます。
ですから、なるべくいいイメージ(暗示のようなもの)を、つねに潜在意識に送り込んでいることが大事です。

潜在意識に指令を出しているのが、アナタの顕在意識です。

潜在意識に命令なんて、そんなことしてないよって?

指令っていうのは、ちゃんとした文章とは限らないんです。
ふだん何気なく無意識に思ったり、なにげなく考えていたり、いつも感じていることが、知らず知らずのうちに潜在意識に影響を与えていく。本音で考えていることや、信念が、そのまま、潜在意識にたいして指令を与えるのと同じなのです。

あなたが一日一日、何を考えているのか。この思考をコントールすることが、潜在意識を動かすカギです。

ふだん、自分はどんなことを思っているか?
どんなことを感じているのか?
一度はチェックしてみてくださいね。


精神科の健康保険診療のしくみ

メールくださったCさんへ
他の方にも参考になればと思いここでお返事します。

Cさんからのメール
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私が行ったのは総合病院の精神科だったのですが、プライバシーもあまり守られてなく 診察もたったの10分程度で私の何が分かったの? って感じでした。
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そうでしたか。
プライバシーは守って欲しいですよね。

大きな総合病院にはたくさんの患者さんが行くので、長い間待たされたわりに、診療時間が短い傾向があります。身体の病気については総合病院のほうが設備は整っているのですが、精神科の治療がうまいともかぎりません。町医者のほうがいい場合もあります。(体の病気が原因でうつ状態になることもありますので、何か不調があったらまずは、体を診てもらうことをおすすめします。)

精神科では、町医者にしても、総合病院の担当医にしても、残念ながら、じっくりとこちらの話に耳を傾けて聞いてくれる先生は、そんなには多くないでしょう。
その背後には、日本の精神医療制度のしくみがあります。

健康保険でカバーされる範囲というのは、日本の現状では、とても狭いです。
患者さんの「自分の話を聞いて欲しい」というニーズにたいして、日本の健康保険制度は応えていません。

医師が行う治療として認められ、診療報酬が支払われるのは、会話(カウンセリング)としては、30分以上で90点(900円)だそうです。(夏樹静子著『心療内科を訪ねて――心が痛み、心が治す・2003年7月』より)

30分以上は一時間かけても二時間かけても点数は変わらない。意地悪な言い方をすれば、患者さんの話に根気強く耳を傾けるより、検査や投薬をしたほうが儲かる。

探せば、心療内科でも臨床心理士やカウンセラーを置いているところもあるようですが、全体からみたら少数派でしょう。 彼らを雇っても、容易に採算がとれないようなのです。

他人の話を丁寧に聞くのはたいへんエネルギーが要ることですし、お金にもならないから、5分とか10分で、診察して薬を処方して終わり、はい次の人、という形になってしまうのも、しかたないことだと思います。

人間的に親身になってくれる精神科の先生もいらっしゃるとは思うのですが、先生個人の情熱にだけ任されてしまっているようです。

また、医者とか病院との関係の善し悪しや改善効果は、「相性」というあいまいな要素にも左右されます。これもひとつの人間関係という こと ですね。


Cさんのメール続き
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今考えると不安神経症なんて病名をつけられる程の症状でもなく、薬を出すためにつけられた病名なのではないかと・・・。
そんな事、あってはならない事でしょうけど、なんとなくそんな気がしてなりません。
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これはお医者さんのせいではなく、今の保険診療ではしかたないみたいです。
病気になるのを予防するためとか、○○○かもしれない、というだけでは、健康保険が適用できないので病名をつけるのだそうです。患者さんにとっても、健康保険を適用してもらったほうがよいですよね。


心の悩みって、本来、身体の病気とは、かなり性格が違います。

たとえば歯の治療なら、悩んでいる症状を訴えて、検査して、(できれば説明の上で)治療を受けるだけです。

でも、心の病気――というよりも、患者さんが何にどんなふうに悩み苦しんでいるのかは、お医者さんからは一回の診察ぐらいでは、なかなか見えないものなのです。
そこで、今現在、表面に現れている症状をみて(患者さんから聞いて)、じゃあ、この人は「○○○」と診断を当てはめて薬を出す、これも 「治療」です。現実として、これが多くの治療機関で行われているパターンです。

現在は、個人的なメール相談や質問でとくに秘匿する必要があるものは、原則として有料でうかがっています。詳細をお問い合わせください。

長崎の事件について

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★ 長崎の中学生による幼児殺害事件 ★

今回の事件の一般的な反応は、ただ恐ろしい子、信じられないこと、という印象ばかり目立ちました。 トラウマの可能性を指摘した人は少なかったですね。

この中学生の行動ですが、私はどうしても被虐待児の話を連想します。
トリイ・ヘイデンの『シーラという子』という本をご存じですか?
幼児虐待の被害者だった6歳のシーラは、自分の弟に似た近所の子供を、木に縛り、火傷を負わせてしまいます。

凶悪犯として州立精神病院に送られるところだったシーラは、空きがないという理由で、トリィが受け持っていた情緒障害児のクラスに一時的に編入されることになったのですが、このシーラ本人も、家庭での暴力と性的虐待の被害者だったのです。
この子は家庭内でされたことを、家庭の外で再現したにすぎなかったのです。

『魂の殺人』などで有名なアリス・ミラー博士が指摘していることは、あのヒットラーも、連続切り裂き殺人魔も、 かつて本人が幼児虐待の被害者だったという記録です。

家庭で実の親に虐待されている子がいるという話は、なかなか一般の人には信じられない受け入れがたい話でしょう。
できればフタをしてしまいたいことです。

あるいは人ごとととして、無関心な人もいるでしょう。
でもそれでは世の中は良くなってはいかないのですね。

被害者の遺族が被告に極刑を望む気持ちは、人情として当然です。

でも、この子が抱えていたかもしれない、心の闇、痛みの有無を確認することなしに、異常性欲の持ち主だと片づけてしまっては こういった事件を未然に防ぐ可能性をつぶしてしまうことになるのです。

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