ドルトが精神分析で発見した乳児期の記憶とは& インナー・チャイルドの癒しとトラウマ&チャイルドは何人?(55号 2005.3.14 )

どうも。平井です。(@^_^@) 昨日の仙台は雪がちらついていたのですが、花粉
症も始まってしまいました。

ドルトが精神分析で発見した乳児期の記憶

フランスの子供の精神分析家、フランソワーズ・ドルトは、事実が子供を不安に
したり、苦痛を与えるとしても、「子供には本当のことを知る権利がある」と言
いました。

子供は、動物に近く、言語をもたない本能的な無邪気な存在ですが、しかし同時
に、その知覚的な理解能力は、ときに、びっくりするほど正確なものです。

フランソーワズ・ドルトの著書
『子どもの無意識』
の解説に、とても興味深い話があります。

ドルトは20歳で重い神経症(不安障害・ノイローゼ)になり、24歳で医学の道をめざしている途中で、週三
回の精神分析を以後三年間受け続けます。

ドルトの分析では、夢を分析すると、必ず、ある通りの名前 『ヴィニューズ通
り』を暗示する連想がでてきました。

その夢は、断片的で、情景がでてくるだけなので、ドルトはこれが何の意味する
のか、なかなか理解ができません。

ドルトを精神分析していた、ルネ・ラフォルグは、その通りの名前について、母
親に訊ねてみることをアドバイスします。

ドルトの母親の返事はこうでした。

「まあ、驚いたわ、お前からその名を聞くなんて。だって、お前が赤ん坊のと
き、お前の乳母車はいつもヴィニューズ通りのホテルの前に止めてあったのだか
ら。そのことがわかったのも、お前の世話をしていた子守の後を警察がつけて
いったからなのよ」

ドルトのベビーシッターをしていた若い娘は、ドルトの母親のドレスと宝石で着
飾って、歓楽街のホテルに遊びに行っていたのです。

ドルトの夢の中にでてきた、乱痴気騒ぎや、シャンパンのグラス、テーブルの上
に広がった豊かな赤毛の髪、これらは、ドルトが生後8ヶ月までに慣れ親しん
だ、『日常の光景』だったのです。 

ドルトの母親のいちばんのお気に入りの長女が小児癌で死んだとき、「お前が死
ねばよかったのに!」と言われたぐらいですから、ドルトはおそらく、乳児期も
母親からはあまりかまってもらえない子供だったと考えられます。

そんな赤ちゃんだったドルトには、このベビーシッターの娘は強い愛着のある人
間だったのでしょう。この娘や遊び相手が、その場で酒に酔って口にしたであろ
う、『ヴィニューズ通り』を、ドルトは無意識のなかに記憶していたのです。 

無意識のなかには、生まれてからこれまでの体験が蓄積して保存されています。
 

ドルトは、精神分析をきっかけにして、生後8ヶ月までのこの体験を思い出しました。 

そして、自分という人格を形成している要素の中には、母親から受け継いだ厳格な気質だけでなく、
このベビーシッターの不良っぽいアイルランド娘、自由奔放な性質もあったことを発見したのです。 

人格形成は、赤ちゃんの時期からはじまっているということです。
自分と接してくる複数の人物からいろんな個性や特徴を、赤ちゃんの時代から自分のなかに取り込み、
それをつねに編成し直して、ひとつにまとめながら「自分」という人格を形成していきます。

母親の期待に答えられずに苦しみ、母親の意志に背いて医学の道にすすんだドル
トは、こうして、精神分析によって、自分の中にあった意外な気質に気づき、
精神ののびやかさと自由を得たのです。 

精神分析を受けた人が赤ちゃん時代の記憶を思い出して、母親にたずねた例は他にもあります。

『血と言葉』のヒロインもそうでした。
精神病の狂気だと恐れていた幻視が、じつは1歳頃の出来事に由来していたことを発見し、
幻視は消えます。
精神分析で蘇ったこの記憶をもとに母親にたずねてみると、事実だったことがわかります。

私も、精神分析で蘇ったある新生児のときの記憶を母親にきいてみて、
これは実際にあったことだと確認できました。

精神分析で神経症(不安障害・ノイローゼ)の核を発見した事実として、
『プライベート・アイズ』のなかで、このことをくわしく解説しています。
http://hiraiyoko.com/nh.html

精神分析家フランソワーズ・ドルト

パリ・フロイト派をおこしたジャック・ラカンから影響を受け、そののち、ラ
カンからもっとも信頼される臨床家になった精神分析家です。
フランスでは精神分析が本来の意味で社会に根付いているようです。

フランソーワズ・ドルト 『子どもの無意識』
http://tinyurl.com/laoxs

インナー・チャイルドの癒しとトラウマ探し

インナーチャイルドの癒しというのは、一部では誤解されているようです。

インナー・チャイルド(内なる子供)を慰める、インナーチャイルドワークと
は、悲しい自分、孤独な自分を発見して、セラピストの前で涙を流して泣くもの
だと。

泣くことは、たしかに方法として、悪くはないのですが、少し、問題がありま
す。

もし、セラピストにかかるのなら、インナーチャイルドの癒しって、どんなこと
をするのか、よく確認されてからのほうがよさそうです。 

「私は、この人の前で泣いて、それで癒されるかどうかな?」って、考えてみら
れるといいでしょうね。 

好きな人、信頼が置ける人、自分を受けとめてもらえている、そんな実感がある
セラピストならいいですが、そうでないと、虚しさにとらわれる、しかもお金は
かかる、と、踏んだり蹴ったりになるおそれもなきにしもあらず……。

私のところにいらっしゃる方のなかには、インナー・チャイルドについて、
ちょっと首をかしげるようなセッションを受けていらした方もいらして、そんな
方を見ると、なんのためのインナー・チャイルドの癒しなのかな?と、疑問にな
ります。

ただ、悲しい涙を出させることで治療になると考えている、それがメインの治療
があるなんて、そんなこと、考えてもみませんでした。

インナー・チャイルドは、見つけて、その子に同情したり、共感することではな
いです。 
それよりも、安心させて、温かく相手をしてあげることが大切なのです。 

インナー・チャイルドに与えることで、現在に生きている大人の自分自身が、傷
を癒し、回復と成長をはかれるのです。そのスピードはすごいです!

インナー・チャイルドは何人いるか

インナー・チャイルドとは、子供心のそのときそのときの気持ちの具象なので、
何人いてもおかしくないです。 

UTさんは、プラアイテキストと私とのメールだけで、インナー・チャイルド・
ワークに取り組みはじめて、まだ2週間です。
でも、もうインナー・チャイルド・ワークを上手に実行されています。

すればするほど、自分が癒されていくのが実感としてわかって嬉しいとのこと。
そういうもんなんですよ。インナーチャイルドの癒しって。(^^) 

最初に出てきたのは、電車のなかにいるときだそうです。
プラアイの方法だと、そうやって日常のなかで、時間のあるときにいつでも
できます。
 

では、今日はこのへんで。!(*^-')/~☆Bye-Bye♪

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発行者 グリーニング・ランド 平井 瑛子(ひらい・ようこ)

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