No.117 不安神経症者が抱える不安とはどういうものか  (111129)

■不安神経症者が抱える不安とはどういうものか

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  本当の自分がわかる心の技術 安らぎと治癒の自己改革
     第117号 2011・11・29(火) 発行  
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平井です。(^^)  

今日は、不安神経症者が抱える「不安」の定義と意味について、です。 


不安神経症の治療では、
── 不安神経症は、現在の精神医学的診断では、全般性不安障害と
パニック障害に分かれるようですが ──
「不安への対処」が大きなポイントになっているようです。 

精神科のお医者様方は、不安神経症の不安をどのように把握されているのか、
考えてみたいと思います。(^^)  

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● 不安神経症(全般性不安障害とパニック障害)は不安が原因? 
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精神科の見地からの意見は、おそらく、
以下のようなものが多いのではないでしょうか? 

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1 不安は、生きるうえで、誰でも、ある程度もっているのが自然。
2 不安は生きている限りなくならない。
3 不安を抱えながら不安とうまく上手に付き合う方法を考えること。

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・・・いかがですか?(^^)   

このようなことを、医師や、臨床心理士、カウンセラーから伝えられたり、
ネット上で見聞きしたりしたことは、ないでしょうか? 

私は『プライベート・アイズ』受講生の方を通して耳にしましたし、
さきほどチェックしたメンタルクリニックのサイトでも同様でした。(^^)   

上記の考え方は、言い換えれば、不安神経症は、

1’人生を生きていくために必要な不安を
2’過剰に持ちすぎていて、
3’それで日常生活がうまくいかなくなってしまっている

ということになります。

・・・が、しかし、

現実的に、不安神経症(全般性不安障害やパニック障害)の不安は、
このような性質の「不安」とはちがう、と、確信に近い想いがあります。

たしかに、不安神経症の不安は、そのように
(人生への、将来への、生活への、漠然とした不安のように)
傍目からは見えなくもない場合もあります。


しかし、不安神経症の当事者が抱く「不安」とは、
現在にあります。まさに、「いま、ここ」にあるのです。

現在の立ち位置で、すでに激しい「恐怖」なのです。


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● 不安神経症者がもつ恐怖心
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ちなみに、私が不安神経症に苦しんでいたときも、不安が高じて悩んでいた
という感覚はありませんでした。やはり、恐怖が強かったです。

漠然として正体も輪郭もわからない狂気という大敵と素手で闘っている緊張が
ありましたが、夜眠れなくなることもなかったし、食欲もありました。

しかし、通常の人、つまり、トラウマにさらされることなく、
健康な心が安全に保たれたまま育った人には、
不安神経症者の心理も、激しい恐怖も、
想像も理解も難しいため、健康人の尺度で測れば、「不安」が無難な
キーワードとなるのでしょう。


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● 不安神経症者の内面心理 
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不安神経症の恐怖というのは、
自分でもわけがわからない、適当な表現も見つからない、だけど何かもの
すごく危険きわまりない、とてつもない膨大なエネルギーが、

誰にも言えず、どの本にもネットにも誰も書いてない奇妙な症状や、
どうにも割り切れない、やるせない積年の苦しい感情や、
自分を激しく嫌い憎み貶める傾向や、罪悪感などと不可分に混ざり合い、

なんら益するところがないと自分でもわかっていながらも、いくら
何度も、それこそ、何百回何千回何万回と、振り払おうとしてかなわず、
べっとりと全身全霊に張りつき、自己を内部から浸食し食い荒らし、
責め苛みながら、なお壮絶な勢いはまったく衰えず、止まない。

こんななかで、不安神経症の人は、毎日を必死に暮らしています。
その日その日を(なんとか無事に)送って(送ろうとして頑張って)います。 

こんなメチャクチャな内面の嵐を、不安神経症の人は、自分一人の胸に全部
おさめて生きているのです。

そこには、年齢と同じだけの苦しい年月が横たわっています。

しかし、
このような内実を、いくら切実にわかって欲しくても、誰に言えるでしょう?

不安神経症でなくても、病気になったとき、自分自身の状態を、
客観的に説明できるひとなんて、どこにもいないですよね。

医師でないかぎり。

いえ、もしかりに医師が不安神経症に罹ったと仮定しても、おそらく、
困難なことではないでしょうか?

まして、外来患者が、初めて逢った医師に向かって、初診の10分から、
長くて30分程度でうまく伝えるのは、とうてい無理でしょう。


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● 精神科医師に初診で言えること 
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自分から一番言いやすいのは、身体的症状のこと。次に、ふだん使われている
レベルの表現で、こころのなかのこと。 

あとは、お医者様の質問に答えるので時間が過ぎてしまうでしょう。


身体のことなら、迷わず一番辛いことを話せますが、不安神経症になると、
自分が一番苦しんでいる奇妙な現象をなかなか話せない。

初対面の精神科医に、複雑な心境を伝えるのは至難のわざ。

ここが、心と身体のちがいです。


心と身体、もし共通点があるとしたら、ひと目で見て病気とわかるときには、
症状はかなり重くなっている、ということぐらいでしょうか。

また、自分の話をたくさんたくさん聞いてほしい、聞き続けて欲しい、
という欲求は、神経症者のもつ共通の願望でもあります。 

メニンガー博士が『おのれに背くもの』でおっしゃったように、
たくさん話しても話しても尽きない、
『ほとばしり出る苦情の奔流を忍耐強く黙々として聞いて』もらいたいと
不安神経症の人は思うのです。

しかし同時に、聞き手のほうでは、この種の話をしっかりと受けとめながら
黙々と、真剣に耳を傾けるのは、とても長く感じられるはずです。

それでも、カウンセラーは、クライアントさんの気持ちを、
ちゃんと暖かく受け止めることが、務めなのです。

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