No.112 アメリカでの認知行動療法  (090910)

■認知行動療法について
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  本当の自分がわかる心の技術 安らぎと治癒の自己改革
     第112号 2009・9・10 発行  
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平井です。(^^)  
9月も中旬近くになり、秋らしくなってきましたね。
夜も曇っていることが多かったので、久々に星空が見えるとホッとします。

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● 勝間和代さんが強い影響を受けた人物とは 
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単行本『史上最強の人生戦略マニュアル』はご存知ですか? 

時の人、経済評論家の勝間和代さんが翻訳されたので、皆さんのなかでも
読まれた方もいらっしゃるかもしれませんね。

今日採り上げるのは、その『人生戦略マニュアル』と同じ著者が書いた、
『いちばん大切な私』という本です。

        『いちばん大切な私』
   あなたらしく生きるための「5つの出会い」「7つの選択」
     フィリップ・マグロー:古賀弥生訳
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198618364/hiraiyokonopa-22/ref=nosim/

この本は、全米で400万部も売れ、フィル博士にとって、3度目の
ニューヨークタイムズ紙ベストセラーランキングNo.1を記録しました。

『ドクター・フィル』のサイトです→  http://www.drphil.com/

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●自己啓発書を選ぶポイント
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でも、f^_^;、タイトルに惹かれて買ったのはいいですが、
読み終わるまでに、かなり苦労しました。

膨大な文章のなかで、たまにひょっこりおやっ?(・・?)と気になる
いいことも書いてはあるのですけれど……。(^^;

気になったのは、トラウマ経験をした人にたいして、即座に改革を迫ること。
フィル博士は、犯罪や虐待への被害者にたいし、ほとんど共感や慰めの態度を
見せようとしません。

この本の読者として向いているのは、深刻なトラウマがない人か、ある程度
回復している人でしょう。

ごく普通の大勢の人にとって、家族や身内や親しい人は、応援してくれて
支えてくれて、成功すれば喜んで祝ってくれる。
それが家族、身内、恋人、友達というもの。嫉妬や中傷、邪魔する敵から
守ったり、ときには対決したりもしてくれる。
自分は、個人として、自分自身で好きなように進路を決める自由と幸福に
なる権利がある。

これが、世の中のおおかたの人のビリーフ(信念)ではないでしょうか? 

『史上最強の人生戦略マニュアル』に影響を受けた勝間和代さんもそうだし、
このフィル博士だって同様に考えていらっしゃる様子。


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●ビリーフ(潜在意識にある信念・信条)をチェックする 
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普通のおおかたの人は、その親しい人達から成功を嫉妬されたり邪魔され
るなんて、想像できない。したくない。ありえない。
──誰だって、実際に傷つけられる前までは、そう考えています。──

うつや神経症になる人は、加藤諦三先生の本に書かれている例のように、
本来応援してくれるはずの人から否定され叩かれるからこそ、心の傷、
トラウマは問題の根が深いのです。 

フィル博士は心理学者というよりは、訴訟コンサルタントとして成功している
せいか、博士号をもつ精神科医として10年間患者の治療に当たったはずの、
貴重な臨床体験が、残念ながら、この本のどこにも書かれていません。

とにかく、「人生に前向きに取り組みなさい!」というメッセージだけは
伝わりました。

・・・・・が・・・・(^^;ゞ 、

これで終わるとメールマガジンの中身が薄いので、(^^;ゞ、どうしようかと
迷ったあげくアマゾンの米国版にも行ってみて……資料を漁った結果、
『いちばん大切な私』原書にたいするたくさんのレビューから、
とりわけ興味深いものを御紹介してメールマガジンを締めたいと思います。

日本語訳つけてみましたが、誤訳があったら指摘くださると有難いです。
(^^)  

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● 内科医が奨める治療法──うつ、不安、恐怖症を治す認知行動療法
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原題:Self Matters: Creating Your Life from the Inside Out
by Dr. Phil McGraw (Author)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0743227255/hiraiyokonopa-22/ref=nosim/

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37 of 40 people found the following review helpful:
As a physician(内科医として), February 17, 2002
By A Customer(購入者)

As a physician who has treated anxiety, depression and taught life
skills the past 15 years ,I love Dr. Phil's antics on "Oprah" [ I "Tivo"
him every Tuesday].However, his dynamic rhetoric and catchy phrases
donot transfer very well to the written page.

私は15年間、不安やうつの治療をし、対処法を教えてきた内科医です。
毎週火曜日の『(フィル博士がレギュラー出演している)オプラ(ウィンフリー・
ショー)』をテレビ録画しており、博士の奇抜なところが気に入っています。

Also, I've tried, and even though the information is complete and
accurate , it's tough to take some of his methods the way he presents
them and apply it throughout your day.

しかし、彼のダイナミックな雄弁さと、魅力的で覚えやすい言葉づかいは文面に
あまり反映されていません。私もいくつか試してみましたが、彼の説明は完璧で
正確であるにもかかわらず、彼が提示しているやり方をそのままとりいれて日々
の生活に役立てることは難しいと思います。

There are exceptions however, i.e. his Triple "A" [authentic accurate
alternative] response to internal negative dialogue.

でも見込みはあります。彼のトリプル・エー(確実で正確な別の手段)は、読
者の内なるネガティブ会話に返答しています。ただ、認知療法にもとづくこの
テーマなら、もっと実用的なよりよいプレゼンテーション(説明)があります。

There are better, more practical, presentations of this material,
which is based on Cognitive Behavioral Therapy. Try the following
three authors which I have my patients read, preferably all three.

以下三名の著者は、私が患者さんに読んでいただいている本の著者で、できれ
ば三つとも試されることをお薦めします。

#1 Anxiety and Phobia Workbook by E. Bourne Phd. A great comprehensive
approach to realization and coping in all aspects of life.

1つ目は、"The Anxiety & Phobia Workbook"(不安と恐怖症のための練習帳)
Edmund J. Bourne (エドモンド・J・ボーネ著)。認知に関しての総合的な
アプローチ(取り組み方法)と生活すべての面においての対処法です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1572244135/hiraiyokonopa-22/ref=nosim/


#2 Anxiety, Phobias And Panic by R. Peurifoy M.A. Another comprehensive
author of cognitve behavioral therapy. And, as with Bourne, you can
read this and use it right away throughout your day.Chapter 5 on
Distorted Thinking is a gem.

2つ目は"Anxiety, Phobias, and Panic (不安、恐怖症、パニック)" Reneau Z.
Peurifoy (リネー・ペリフォー著)。こちらも包括的な認知行動療法の著者で、
ボーネと同様、読んで即使えます。5章の「歪んだ思考」はとくに秀逸。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0446692778/hiraiyokonopa-22/ref=nosim/

#3 To be read last and after the above info. is internalized and
applied-- Full Catastrophe Living by Jon Kabat-Zinn Phd.

3つ目、上記の情報をふまえたうえで読むべきなのは、"Full Catastrophe
Living(最大の悲劇を生きる): Using the Wisdom of Your Body and Mind
to Face Stress, Pain, and Illness (あなたの身体と心の智慧でストレスや
苦痛、病気に立ち向かう)" by Jon Kabat-Zinn(ジョン・カバジーン著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0749915854/hiraiyokonopa-22/ref=nosim/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0385303122/hiraiyokonopa-22/ref=nosim/

I tell my patients to get out the yellow highliter and go at these
three like textbooks in school. By the way, don't let the titles fool
you.....these are "lifeskill" teaching books. Learn the info.,
memorize it, and apply to your life DAILY.

私は患者さんに、この三冊を学校で学んだ教科書のように、黄色いマーカーペ
ンで線を引きながら取り組みなさいと言っています。ところで、タイトルにご
まかされないようにしてください。これらはライフスキル(生活術)を教える
書籍です。学んで、覚えて、あなたの「毎日の」生活に当てはめてくださるよ
う。

Just "reading" is only the beginning, it then must be internalized
and assimilated into your life to work. This can take between 6 to 12
months, so be patient, but persistent.

ただ「読書」するだけではスタート地点にいるだけで、実生活への効果を期
待するには、内面化(我が身のものと)して、吸収同化しなければなりません。
それには6ヶ月から12ヶ月はかかるでしょう。気長に、粘り強く続けなけれ
ばなりません。

The great thing is after youlearn these new lifeskills, you get to
practice them everyday and they eventually become permanent.

素晴しいのは、ここで掲げた新しい生活術を学べば、それらを毎日実践して
練習することができますし、やがてはどれもついに安定して揺るぎないもの
になることです。

I'm still a fan of Dr. Phil's and will continue to buy and read his
material.
He certainly has made our country realize how unprepared
we are at handling our daily stressors and we need to be very active
in learning new methods of coping.

私は今なおフィル博士のファンで、これからも彼の著作物を購入して拝見する
つもりです。
彼は確実に、我々にあることを知らしめてくれたのです。そのあることとは、
わが国(の人々)は、ストレスいっぱいの日々をどう乗り切っていけばいい
のかについて何の準備もないこと、そしてだからこそ、新しい対処法を学ぶ
ことに積極的になる必要があるということを、認識させてくれたのです。

          ── 以上 アマゾン書評より 翻訳:平井 瑛子
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引用終わります。

※ ウェブサイトではそんなに長く見えなかったですが、意外と文章量があり
ましたね。(^^) 

おしまいに、

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● 認知療法について私の意見
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認知行動療法とは、うつや不安やパニック発作などの治療法で、つねに否定的、
悲観的(ネガティブに)傾きやすい思考を修正するための治療法です。

物の見方を現実にそった、生きやすいものに変更するのですが、内面をあまり
いじらないで反応や対応だけを変えるのは、効果が出るまで比較的早い半面、
無理に症状だけを消し去ろうとするアプローチをとると、催眠療法と同じく、
別な形で症状が出てきたりするおそれも否定はできません。

それに、理詰の認知行動療法は、日本人にはあまり馴染まない気もします。

たとえ心理の専門家でも、態度や言葉づかいは丁寧であっても、”間違った”
考えや思考法や反応を、そこにいたった経緯に寄り添うことなく、”修正”
させるというのは、正しい理想の型にはめる矯正教育のようで好きでないし、
私自身は、『プライベート・アイズ』http://hiraiyoko.com/nh.html や、
メールセラピーのなかで認知行動療法的要素も採り入れてはいますが、
あくまでもご本人が自分で気づけるようにそれとなく促す形をとっています。

そのほうが無理がないし、予後(治療後の経過)に効果が続くことも期待でき
るからです。

人の心というのは複数の要素が影響し合っています。正しいか正しくないか、
適切か不適切か、だけでは、うまく割り切れないのでは?と思うのです。(^^; 


【※】上記の本が日本語で翻訳出版されているかどうか知りたい方、
認知行動療法に興味がある方は、ご自身で検索などで調べてみてください。

私はクライアントさんには、心の底からスッキリきれいになっていただき
たいと考えているので、認知行動療法にはさほど熱心になれないのです。
時代の要請で認知行動療法が評価されているのはわかるのですけれどね。


では、最後まで読んでいただきありがとうございました。

(^-^)ノ~~ 

平井 瑛子( ひらいようこ )

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