No.109 解離<5>シュナイダーの一級症状とこころの病  (090214)

■ 109号の内容 

☆ 臨床心理学講座 多重人格(解離性障害)<その5> 

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● 多重人格(解離性障害)は誤診されやすい 
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サイコセラピスト(心理療法家)の森茂起氏は著書
『多重人格 知られざる心の病の真実』の "はじめに"で、
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  多重人格は研究途上でもあり、いまだ不 明な点や現時点では解明されて
 いない謎もあるが、日本でも想像以上に存在することだけは断言しておく。
 多重人格は希なのではなく、誤診されやすいので発見されないだけである。
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と記述しています。


なぜ多重人格(解離性障害)が統合失調症(精神分裂病)と誤診されやすいか。

その理由はいくつかあります。


1 本人が狂っていると思われるのを怖がって隠す。
(多重人格の方も、現実認識能力はしっかりとあります。
 多重人格(解離性障害)は深刻なトラウマにより障害が残る
 PTSDであり、神経症のひとつ(!)だからです)

2 本人も多重人格を自覚していない(別人格の存在に気づかない)。

3 多重人格は外目からわかりにくく、他の精神障害のほうが先に目につくので、
  別な診断名と治療がされることが多い。(多重人格を信じない医師も多い)


2と3は、精神科の診断の難しさとも関係しています。

多重人格とはいっても、病院に行って医師の目の前でいきなり
別の人格に変わるわけではないのです。

最初は、うつ病のような落ち込みや、感情の変化が激しいこと、
記憶力が落ちた悩みを訴える。

精神科では、おもに、本人の見た目と、話す内容を中心に医師が診断するので、
医師も多重人格に気づかず、本人も隠す(あるいは気づかない)場合、
他の病名と誤診されてしまい、別な医師によって解離性障害が発見され、
正しい診断がされるまで、何年も経過してしまうことも少なくありません。


それだけ、多重人格(解離性障害)の症状は、多彩で、見誤りやすい。

多重人格(解離性障害)特有の症状は、
別の人格が本人の意識と身体を支配する解離と、記憶喪失という、
人の好奇心をそそるようなドラマチックで劇的なものですが、
そのほかに、別な心の病気も抱えている人が少なくない。

『多重人格 知られざる心の病の真実』50ぺージを参考にすると、

多重人格の患者全員に共通する症状(DSM-IVの診断基準)として、
*人格の分離(複数以上の人格に分かれて、別々に活動する状態)
*記憶喪失
があり、

多くの患者に共通する症状(二次症状と呼ばれる)として、
*うつ状態
*頭痛
*幻聴
*シュナイダーの一級症状
*離人体験
*PTSD
*その他の症状(うつ病、不安神経症、パニック障害など)
がある。


もし、多重人格(解離性障害)についてよく知らない医師にかかれば、
うつや不安神経症や、統合失調症(精神分裂病)と誤診されても
不思議はありません。

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● シュナイダーの一級症状
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(※)『シュナイダーの一級症状』とは、
統合失調症(精神分裂病)のひとつの診断基準とされるものです。

『多重人格 知られざる心の病の真実』の60ぺージを見てみましょう。

シュナイダーの一級症状は11項目。
(1)考えが声で聞こえる
(2)言い争う声が聞こえる
(3)自分の行動を批評する声が聞こえる
(4)身体に何か(よくないことを)される影響がある
(5)思考が抜き取られ取り上げられる
(6)異質な考えが注入される
(7)考えが外に発散・放送される
(8)自分のものでない感情を感じる
(9)自分のものでない衝動に突き動かされる
(10)身体が何かにあやつられる
(11)何かに惑わされる感覚


告白すると、私が神経症がひどかったときも、こういう錯乱した
異様な感じも、いくつかありましたよ……!

・・・・Σ(・∀・*;)!

統合失調症(精神分裂病)の陽性/陰性症状と酷似したイメージも、
ちらほら出てくるようになり、あのときはもう自分は完全に狂人になる!
と恐れおののきました……!

〜つづく〜


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