5歳で完成!人生のひな型&レジリエンスが毒に?&リフレーミングとは(第100号)

(第100号 2008年6月2日発行)
こんばんは。平井です。(^^) 

実の母親が昨年の冬、脳卒中の発作で倒れてからというもの、
緊急入院から治療入院中の看病と退院してからの介護と、諸々の事務的手続き、あとは
ここではまだ書けない(^^;あちゃーな人間関係のゴタゴタなど(;^_^Aに直面していました。

そんなこんなで、前回の発行からはや半年近くも過ぎてしまいましたが、
お蔭様でようやく、母親も心身ともに落ち着いてきたので、
こうしてじっくりとメールマガジンを執筆できる環境が戻ってきました。

ではさっそく、心理療法・精神分析関係のテーマを取り上げてお話をいたしましょう。

今日は、小倉清先生の『子どもの臨床』というご著書を拝読して、
なるほどと感じたことを、のべてまいりたいと思います。
子どもの臨床 小倉清著作集 (1)

  ( ……言葉遣い、今日はとくに丁寧でしょう?(^^) 
    「ぐぅぅー(っど!)・ンごぁー」のエド・はるみさんの
    かちっとした敬語に若干影響されているようです ☆(^m^)☆ )
 

小倉清・5歳までの幼児期体験が人生のひな型となる

この本の著者の精神科医小倉清先生は、その経歴を見てもエリート中のエリートで、
精神分析の世界でも高い地位にいらっしゃる方ですが、
エリートにありがちな、尊大で、権威的・威圧的なところがまったくなく、
お書きになった文章からは、春の日だまりのような優しい温かさと、
患者さんへの慈しみの眼差(まなざ)しが伝わってきます。

今日ここで、この『小倉清著作集1 子どもの臨床』のなかから、
この無料メルマガの読者さん向けに引用させていただくのは、
「今を生きる子どもたち」の一節です。


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 そんなふうで子どもは4〜5歳までには、すでにもうさまざまの体験をしています。
私の考えでは子どもはその後の人生において経験するすべてのことの元型を、ここま
でで体験してしまうものと思います。

すべてのことというのは、これまで御紹介した子どもさんたちの例からも十分理解さ
れるとおり、愛・憎しみ・嫉妬・ねたみ・ひがみ・うらみ・悲しみ・恐怖・不安・緊
張・失うこと・罪の意識・つぐないの気持ち・とりなし・試し・悲嘆・絶望・激しい
怒り・自制すること・そして性愛に至るまですべてです。

不条理で理屈に合わない体験、絶対的な矛盾・葛藤など、すべて避けられるものでは
ありません。子どもはそれらに対応すべく必死の努力をしますが、しかしどうにもな
らないものはどうにもなりません。深い傷として心の奥底に残るしかありません。

しかしかといってそれですっかり悲観することもありませんし、悲観してもいられま
せん。結局のところ、それらとの不断の問いのありようが私たちの人生そのものを形
成しているものと考えられます。

          ――『子どもの臨床』序部 今を生きる子どもたち より抜粋 
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小倉先生がおっしゃっているように、子供は幼児期までに
人生とはどういうものかを、置かれた環境から吸収するわけです。

しかしもちろん、すべての子ども、つまり、かつて子供だった私たちをも含めて、
子供全員が幼児期において、深い傷を負うわけではありません。

しかし、精神科医として小倉先生が診ていらっしゃる患者さん(子供から成人まで)は、
小さい頃に、――小倉先生の言葉を借りれば
「聞けばこちらの胸がつぶれるような」――
つらい体験をしている例が多いのです。

でも、同じようなつらい体験をしても、それが大きな傷・トラウマになる人もいれば、
なんとか乗り越えることができる人もいます。

その違いは、なんでしょうか?

私は、これは単に、最近言われている
レジリエンス(レジリアンス・レジリヤンス)・(心の回復・復元力・弾性)
の問題とは少し違うのではないか?、と考えます。
 

レジリエンス・レジリエンシー(心の回復・復元力)と心の傷

ここで、レジリエンスとは何か、考察してみましょう。

*↓レジリエンス(レジリヤンス・レジリアンス)について知識を得るための参考文献:
『妖精のささやき』ボリス・シリュルニク(シリュルニック)@版元ドットコム
壊れない子どもの心の育て方 ボリス シリュルニック@アマゾン書店

レジリエンス(レジリヤンス・レジリアンス・レジリアンシー・レジリエンシー)の原語は、
英語で”resilience:resiliency”とのこと。

”resilience”は、弾力性・回復力に富んでいる状態・快活さ・跳ね返す力などを指します。
ひとりの人としては、災害や逆境など困難な状況下に置かれても、自尊心をもち、
肯定的に物事をとらえ、積極的に生き抜く力のことをさすようです。
 家具に押しつぶされて一度はぺったんこに寝たカーペットの毛が、
重荷を取り除かれると、立ち上がってきて、もとの状態に復元する、戻る。
その様子にもたとえられる。

レジリエンシー(レジリアンシー)という概念は、非常にわかりやすいたとえで、
困難な状況を生き延びる人間の生命力を表現しています。

しかし・・・、たとえば私を含め、機能不全家庭に生まれ落ちた人間の場合は、
レジリアンス(レジリアンシー・レジリエンス・レジリエンシー)を生まれつき多くもっていると、
家庭そのものがその家の子供を攻撃するような異常な環境下にあって、
自分自身を助けるどころか、むしろより苦しい結果につながってしまうことも、あるのです。

―― ん?
―― 子供自身の回復力が、子供自身を苦しめる?
―― いったい平井は何を言っているのか?
―― ちょっと理解を超えていますよね?w(^_^)?

わかるようにご説明いたしましょう。(^^) 
それはこういうことなのです・・・。

※参考文献
ジェニーのなかの400人(単行本) ;  ジェニーのなかの400人〈上〉 (文庫) ジェニーのなかの400人〈下〉 (文庫)

『ジェニーのなかの400人』のジェニーは、むごい身体的虐待を受けても、
―― ジェニーが受けた虐待は、それだけではありませんでしたが――
すぐに傷口が癒えて痕が残らずに治ってしまう特別な体質でした。
むろんジェニーの母親も自分が娘を虐待していることを世間には隠していましたので、
なかなか虐待の事実が他人にはわかりませんでした。

 もっとも、こういうときの親というものは、
自分が子供を恒常的に虐待していて、子供を犠牲にすることにより、
加虐的な快感を得ていたり、仲間内での自己の保身をはかったり、
他者の関心を惹いたり、みずからのエゴを満足させるなど、あくまでも
自分の子供を守るのではなく、子供を犠牲にすることによって、
自分が護られたり、何らかの利益を得るために、わが子を道具として利用していることを、
わざわざ世間に向かって知らしめるわけ、ないのです・・・。
良識ある他者に知られてしまったら、差し障り?!があるかもしれないから・・・。

ジェニーは身体の傷の回復が早くて痕跡も残らなかったから、
残酷な儀式に何度も何度も繰り返し、生贄として利用されることにつながったのです。
彼女の高いレジリエンシー(レジリアンシー)が、彼ら(実の母親やカルト宗教仲間)にとって、
都合がよかった・・。利用するために・・・。


私の場合ですか?(^^) ?

・・・私の場合は心理的虐待が中心でしたが・・・、
ここからは、聞く準備ができている方だけ、読んでくださいね。
  人が苦しむ話を喜ぶような、旧皮質の脳が優勢な?方でない限り、こちらもまた、
精神的に負担がかかるエピソードですのでね・・・・(^^;)

また、それとは別に、もう過ぎ去った過去のことですので、
この話を聞いて、今の私を哀れんでくださる必要もありません。(^^)
それより、そういう目に遭っている子供にたいして理解を示していただけたらと。
 

私の子供時代は、
いくら言葉で(実の)母親から、いたぶられても、
脅かされても、侮辱されても、なんとも手の込んだ(;^_^A罠にはめられても、
もともと性格的に明るくて、たぶん自分なりに人生を信じていて、
泣かされてもすぐに、希望のようなものがわいてきて、今日から明日へと前向きに、
母を恨まず、母のなかの善のみを信じる心が自然に復活してきて、元気になるのでした。

だからこそ、母は、ちょっとからかったぐらいで、すぐに気にして、傷ついて、凹んだまま、
しばらくの間は落ち込みからなかなか這い出てこない下の娘(私の妹)ではなく、
私なら、いくら言葉でいじめて遊んでも、どんなに蔑んで家から追い出しても、
しばし泣いても、放っておけば、ひとりでにまもなくすぐにもとの精神状態に復活する
――つまり、レジリアンス(レジリエンシー)に満ち満ちていた――
、そんな私だから、見下げながら、軽蔑しながら、心理的虐待の的としていたわけでしタ。(^^;)

 ・・まあ、私としてはそれだけプライドを何度も傷つけられていたわけですからw(^_^)?
ここで付加疑問文的に、語尾のアクセントをあげます―― 
後年になって、激しい不安神経症になったとしても、おかしくないでしょう。

母は、私を貶めることによって、自らの精神のバランスを、
発狂しない程度に保つことができていたわけです。

・・・こんなわけで、どんな家庭に育つ子供でも、一概に、
レジリエンシーが高ければいいというか、
レジリアンスが推奨される、とは限らない、と思うのですよ。私は(^^;)
逆に、多少不具合を途中で出していたほうが、
大人(親)が自分の間違いに気づくかもしれない。

とはいっても・・・(^^;ゞ・・・、
私の場合などは自家中毒(今は子供のうつ病というそうですね?(^^))になりまして、
そういうカタチで、助けて!のSOSの信号を発していたわけですが、
「おまえはへんな病気になって親に迷惑かけて!」とマジにコワイ顔で怒られていました。
非言語的には、苦しくても悲鳴を上げるな!ということを意味していたわけで・・

昔は、親も医者(内科医・小児科医)も、正しい知識がなかったんですね・・・(;^_^A

レジリエンスについてあれこれと考えているうちに、
冒頭の小倉先生のご著書から離れてしまいましたので、(^^ そろそろ戻りましょう。
 

   ・・・こういうお話をしても、大丈夫でしたか?(^^)☆
   

トラウマの影響度は、本人が置かれた人的環境に左右される

 
・・ひとりの人間の、幼少期に受けたトラウマが、その人の人生に大きな影を落とし、
暗黒の闇からつねに意識の糸を操り、人生に多大な破壊力や支配力をもつに至るか、
そうでないかの違いは、このメルマガのバックナンバーNo.66〜68のアリス・ミラー博士の
シリーズで論じたとおりです。

トラウマ体験が、癒されぬ深い心の傷となる要因は、
―― 政情が久しく安定しているわが国日本においては、――、
そのほとんどが、家庭の事情によるもの。
子ども時代が天国になるか地獄になるかは、これはハッキリ言って、
生まれた環境次第です。

のちに心理的な問題を抱える人は、トラウマはトラウマとして自覚できず、
何がなんだかわからないまま、苦境を一方的に押しつけられて、
生きるために、育ててもらうために、ただ耐え忍ぶしかなかったのです。

もしここに、この子を守ったりかばったり、あるいはそこまでできなくても、
気持ちをわかって、慰めてくれる存在、―― アリス・ミラー博士のいうところの、
ウイットネス、「事情がわかっている立会人・証人」―― がいれば、結果は違ってきます。

もしも理解者がいれば、つらい体験が、子どもの心のなかに、
ただただ奥へ奥へと押し込まれ、何十年たっても、
ひそかに生々しい状態のまま残り、ことあるごとにその傷が
疼(うず)く、衝動的でコントロールできない苦しみに苛まれることは、
ゼロとは言わないまでも、激減します。

子どもというのは、大人に準じた感受性や思考力をもっている存在です。
言葉を操れるようになるまでは、それをうまく表現できないだけなのです。

心の手当て、心理療法の意義も、まさにここにあります。

人生を再構築する心理療法(サイコセラピー)の意義とリフレーミング

無力で自罰的な子ども時代に、自分ではどうにもならないために、やむなく心の奥底に
閉じ込めるしかなかった感情を洗い出し、過去の体験に、新しいとらえ方を与える。

これをNLPでは、「リフレーミング」と呼びます。
私自身も、これとよく似た手法を使わせていただくことがあります。(^^) 

小倉先生のお話(ご著書)がとても魅力的なので、ずーっと続けたいところですが、
制限もありますので、よかったら続きは 現物でお読みください。
子どもの臨床 小倉清著作集 (1)

そういえば、小倉先生といえば、患者さんとの関係をとても大切にされる臨床家で、
これは何で読んだのかは思い出せないのですが、
(おそらく臨床心理学関係の書籍か冊子だとは思うのですが、(^^;、)
先生は、現在の健康保険のなかで、患者さん一人につき、
約1時間の診療を毎日行なっていると書かれてありました。

「それはまたずいぶんと贅沢だなぁ」とある人に言われた小倉先生は、
どこが贅沢なものか、患者さんはそれはもう必死の思いで通ってくるのだ!、
と、反論されています。

私としては、「贅沢だなぁ」と言ったほうの先生の気持ちがよくわかります。(^^) 

たった1人の患者さんが、小倉先生というベテラン精神科医の時間を1時間近く
独占し、一対一の丁寧で本格的な治療(精神療法・カウンセリング)を受けられて、
しかもそれが、現行の健康保険診療の枠のなかで行なわれているのは、
ありがたいことです。(^^ 

もっとも、心が癒されていくためには、心理療法というのは、それくらい、
心理療法家とクライアントさんとの直接的で密な関わり合いのなかから結果が出てくる、
数値化や効率化とはほど遠い、一人一人に向き合った丁寧な仕事となるわけですが。
自由診療ではなく、健康保険診療で行なっているというところは、なかなかないです。(^^) 

では今日はこの辺で。また、ここで、お会いしましょう。(^^)ノ~~
平井 瑛子( ひらいようこ )

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